津田井美香

思考と表現を行き来して
ワクワクできる世界を描く

津田井美香

講師

生活文化・デザイン領域

Profile

デザイナー。京都工芸繊維大学造形工学課程でプロダクトデザインを学ぶ。
同大学院では、デザインと材料開発を統合的に扱う研究に従事。
卒業後は、企画デザイン職兼グラフィックデザイナーとしてメーカーに入社、商品開発の全工程に携わる。商品開発の実務経験と材料研究を掛け合わせた、包括的なデザイン提案を強みとする。
代表作の「マンガ皿」は、MoMA Design Store をはじめ、国内外の店舗で展開中。「Tokyo Midtown Award2010 柴田文江賞」、「DIA Award2020」(中国)銅賞など受賞。

グラフィックとプロダクトを軸に分野や視点を横断

グラフィックデザインとプロダクトデザインを扱っています。ただし、特定の分野に縛られるのではなく、プロジェクトごとに最もよい形を考え、その実現に必要なデザインを柔軟に選び取ることを心がけています。活動はクライアントワークと自主プロジェクトの2つを行なっており、前者では相手の考えをくみ取りながら「こうあったらいい」を一緒に探し、後者では「こういうモノがある世界を見たい」という思いを出発点に表現を広げています。二つを行き来することで、多様な視点からものごとを見つめ、考えを深めることができていると感じています。

素材からデザインを考えることのおもしろさにも興味

自主プロジェクトの中では、新しい視点を提示できるような提案を意識してきました。近年は、既存素材を活かすだけでなく、素材そのものを開発し、表現に取り入れることにも関心があります。その出発点となったのが、「吹き付け和紙」という材料を用いたプロジェクト。細かな和紙繊維を吹きつけて成形できる材料で、従来は壁紙として用いられてきましたが、この素材ならではの繊細な表現を追求し、立体作品を制作。今後は、素材開発とデザイン表現を往復しながら、新たな可能性を探っていきたいと考えています。

デザインを通して自分なりの豊かさを追求

デザインの「こうだったらいいな」と考えたことが、実際に形になることに喜びを感じます。暮らしが良くなったり、現実に直接変化をもたらしたりできる点に楽しさを見出し、今に至りました。私は「良いデザイン」とは、お金やモノに縛られない豊かさの選択肢を増やし、新しい価値観に気づかせてくれるものだと考えています。デザインを学ぶことは、良いと定義できる幅を広げること。学生の皆さんには固定観念にとらわれず、柔軟に新しい概念を受け入れる面白さを伝えていきたいと思っています。デザインを通して、皆が自分なりの豊かさを追求し、ワクワクできる世界を描き続けられますように。

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